第2回 トロントのカジノ事情~カジノは総合娯楽施設~

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"カジノ"というのは単にギャンブル場を意味するのではなくて、ギャンブル がメインの総合娯楽施設のこと。バー、レストラン、ホテル、そして音楽や ショーのライブなどを組み合わせていろいろと楽しめる場なのである。こう いうコンセプトはすでに19世紀のヨーロッパでは定着していたそうだ。

トロントのウッドバインカジノやモーホウクカジノは、地元や周辺の地域か ら来る客がターゲットになっているので、観光地にある商業カジノほどの 華やかさはないが、総合エンターテインメント施設だという点は忘れてい ない。週末の夜には必ずジャズやポップス、カントリーミュージックなどの ライブ演奏がある。バーやレストラン、ファーストフードの店がいくつも集まった"フードコート"もある。競馬場の建物 の中に作ってあるので、レーストラックを見渡すバーに座ってレースを眺めることもできる。だから、ゲームで遊ぶだ けで帰るという客は少ない。


<カジノ内部にあるバー>


カジノで勝ったら、そのお金で馬券を買いにいく人もいる。なかには夫婦2、3組でやって来て、旦那のほうは馬、奥さ んたちはカジノとそれぞれ別にギャンブルを楽しみ、ひとしきり遊んだあとはレストランに集合してみんなでバイキング のブランチを食べる、という過ごし方をする人も。

ブランチといえば、北米の観光地にあるバイキング式レストランは、見かけ は豪華だが味はいま一つというのが多い。ところが、ウッドバインカジノの ウィロウ レストランのバイキングは、ブランチもディナーもわりとしっかりし た味のものを出している。スペアリブのソースは専門店なみだ。

ブレックファースト(CDN$10)、ランチ(CDN$15)、ディナー(CDN$18)はそれ ぞれ内容が違い、デザートもバラエティ豊富だ。例えばブランチバイキング は、スープ、コールドミート(ハム、サラミなど)、チーズ、ソーセージ、卵料 理に加え、スパゲッティ、各種サラダ、スペアリブ、チキンパイ、ポテト料理、 ちょっとアメリカナイズした焼きそばと酢豚などが並ぶ。

レストランやバーの質を下げないことが、ローカルなカジノでも場末の賭博場の雰囲気にならないようにするポイントのひとつなのだそうだ。


<ウィロウレストランのバイキング>