第1回 トロントのカジノ事情~誰もが気軽にカジノ遊び~

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カナダ、オンタリオ州では90年代から州政府が設営して 民間に営業させる「官設民営」方式のカジノが始まった。 以来、大小のカジノが州内各地にオ-プンし、いつのま にか、映画やレストランに出かけるような週末の気軽な 遊びにカジノが加わるようになった。

トロント国際空港から車で数分のところにあるウッドバイ ンカジノは、約5200平方メートルのフロアにブラックジャ ックからポーカーまで1700台以上のスロットが並ぶ。 テーブルゲームはなく、市街地や観光地から離れている のに週末はいつでも大賑わいである。

ウッドバインは、北米で唯一、サラブレッドとハーネスの レースを同日に開催できる大規模な競馬場の敷地内に あり、“レーストラック・スロット”とも呼ばれている。イタ リア・ルネッサンス時代の競馬場をテーマにデザインし た内装に、カラフルなゲームマシーンがずらりと並び、 奥にはゲームフロアが見渡せるバーやラウンジがある。 ピアノの生演奏やジャズバンドが入り、ネオンはカジノに しては派手すぎずまるでルネッサンス風テーマパーク のようだ。スロットの種類は、モノポリー、ブラックジャック、ビデオポーカー、ウィール・オブ・フォーチュン(運命の輪)、ラッキー・セブンス、ブレージング・セブンス、ダブル・ダイヤモンド、10タイムス・ペイ、レッド・ホワイト・アンド・ブルーなど。

デノミ(プレーの単価)は5セントから始まって、25セント、50セント、1ドル、2ドル、5ドル。各スロットの上にデノミ を示すライトが立てられており、5セントのスロットはピンク、2ドルは緑というように遠くからでも一目でわかるように なっている。どのスロットも本物の硬貨やお札をそのまま入れて使える。50ドル台や100ドル台などの高額マシン を置かないのは、やはり「官設民営」のカジノだから市民が簡単に身をほろぼすような台はダメ、ということなのだ そうだ。その代わり、車が当たるスロットコーナーなどは、見物人も大勢集まり盛りあがっている。


<ウッドバインのスロットイメージ>


スロットのすぐ横に「ギャンブルが習慣にならないようにする方法」とか、「ギャンブル中毒ホットライン--はまりすぎ た人はこの電話番号へ」などと書かれたパンフレットが置かれているのは、たいへんカナダらしい光景である。 宝くじにもカジノにも投資しているオンタリオ・ロッタリー・ゲーミング公社(Ontario Lottery and Gaming Corporation) は、あくまでも市民が楽しく遊べるエンターテインメント施設という線をこえないように、必死で気をつかっているようである。

ウッドバインカジノの客層は若者から家族連れ、カップル、おじいさん、おばあさん、ビジネスマン風の人と幅広い。 英語のアクセントや服装からして、ほとんどが地元や周辺の住民たちだ。トロントは170カ国以上からの移住者が 生活している街なので、ヨーロッパ系、アジア系、アラブ系などさまざまな民族の顔が見られるのも、誰もが気軽に 遊びに行ける理由のひとつなのだろう。



■Slots at Woodbine Racetrack■
住所:555 Rexdale Blvd Toronto, Ontario Canada M9W 5L2
毎日24時間営業、無料駐車場
<カジノ内施設とサービス>
ウィローレストラン
パリオ・バー
ピアノ・ラウンジ
ギフトショップ
VIPエリア
喫煙室(スロットで遊びながらタバコは吸えない)
外貨両替所
アルコール以外の無料ドリンクサービス
車椅子貸出